ゴーストレストランとは?

ゴーストレストランとは、店内にお客さんを入れて食事を提供する営業ではなく、 電話やネット、アプリからのみ注文を受けてデリバリーのみで食事を提供する飲食店の形態です。海外ではダークストア、クラウドキッチンと呼ばれることもあります。

ウェイターなどは必要なくシェフが一人いれば成り立つオペレーションであるため、人件費はほとんどかからず、内装費用もかからないことから、従来と比べ初期投資を大幅に抑えることができるビジネスモデルとして特に新型コロナウイルス渦で注目を集めています。

歴史的にはアメリカが発祥の地で、広い土地をもつアメリカ本土では元々配達を主流とする店舗も多く、その流れから実際の店舗を持たないデリバリー専門店が現れたといいます。

イギリスではDeliveroo(デリバルー)という企業が始まりでした。

​ベットタウンでは実店舗の売上が見込めないため、デリバルーがレシピを請け負い、キッチンで複数の店舗のメニューを調理し配達までも行うというモデルでした。

​一人の銀行員のアイデアから始まったこの企業は評価額40億円に達し、アマゾンからも出資を受けるほど成長しています。

中国の瑞幸咖啡(luckin coffee/ラッキンコーヒー)というブランドも有名なテイクアウト・デリバリー特化型店舗です。

スターバックスと逆を行く出店形態によって一年で2,000店舗以上を展開するブランドになりました。

ゴーストレストランの開業に必要なものは?

開業前に必要なもの

●物件の選定 ●食品営業許可書 ●設備調達 ●メニュー用意 ●資材・材料の仕入先確保 ●融資相談 ●店舗 の改装工事 ●初期費用用意 ●HP作成 ●SNSアカウント用意 ●デリバリーサービスのアカウント登録 ●従業員の募集


開業後に必要なもの

●デリバリーサービスの運用 ●用品知識の勉強 ●広告 ●収支計算 ●事業計画の作成  ●カスタマー対応マニュアル ●オペレーションの改善 ●デリバリー器具の機材メンテナンス ●お客様レビューへの返信 ●より良い仕入先の捜索 ●従業員のシフト管理 ●クリーンネス維持​ ●在庫管理 ●ウイルス対策​

開業フローとしては一般的な飲食店と基本的に変わりはありません。​ 

ただ内装に時間やお金がかからないことや、店内メニューやポスターが必要ない分、かかるコストは少なくなり開業のハードルは圧倒的に低くなります。 

また、 シェアキッチンやバーの昼間の間借りなどで始めることも可能 で、その場合は賃貸に関してもコストを抑えることができます。その場合はレジシステムをしっかり分けるなどして、貸主との金銭トラブルのリスクを避けるようにしていきましょう。 

ブランドのコンセプトもいくつか作っておくことが大切です。実店舗と違い、デリバリー専門のレストランのコンセプトはネット上で簡単に切り替えることができます。様々なコンセプト・業種の形態を備えておくことで、営業していく中でトライアンドエラーを繰り返し、最適なブランドを見つけることができます。 

ゴーストレストランって儲かるの!?

​結論から言えば、ゴーストレストランはやり方によってはかなり儲かる可能性を秘めています。

​​まず、ゴーストレストランはデリバリーのみの売上で成り立つため、通常の飲食店とは全く別のものと考える必要があります。

​​自社配送をメインにしているゴーストレストラン経営はシステムにおいてのサービス料が取られない(または少ない)ので利益の幅は大きくなります。

​ただ、デリバリーサービス(Uber Eats、出前館等)を使い配達代行を利用するとなると、売上に対して40%近く手数料が引かれるため、材料費・包材含めコストも通常よりかかります。

​​そのため必然的に実店舗運営よりも薄利にはなりますが、キッチン一つさえあればネット上でいくつも店舗を出店できると考えると、やり方によっては実店舗よりも低コストで高利益を生み出すことが可能です。

左の図はゴーストレストランの売上内訳を表したものです。 ​この図は比較的コストが高い場合の売上内訳になります。

既存のデリバリーサービスに頼り、実店舗運営と同じ感覚で取り組むと正直あまり利益が残らないモデルです。

これだと確実に失敗してしまいます。

ゴーストレストランで利益を生むためには ​徹底的にデリバリーに特化させる必要があるのです。

​ゴーストレストランで失敗しないためには

​​■デリバリーサービスの手数料を視野に入れた原価計算

​自社配送をすれば手数料はかからないというものの、やはりリスクを背負わないデリバリーサービスを活用することがおすすめです。

​しかしデリバリーサービスを利用するとどうしても手数料がかかってしまいます。

​そのため、手数料を初めから視野に入れた原価計算と、それに見合ったメニュー決めを行う必要があります。

​実店舗の運営と同じ感覚でメニュー決めや値段設定を行うと、気づいたら利益が全く出ていない!ということも起こりかねないので、ここは注意が必要です。

​■材料費を考えた商材の選び方

​​商材の中にはデリバリーに向いている商材と向いていない商材があります。

​梱包材の費用がかさまないように、簡単な包装で済むような、汁気のないものが一番おすすめです。

​例えば、唐揚げやハンバーガーはデリバリーにおいてかなり優れています。一方でラーメンやうどんなどはデリバリーには不向きと言えるでしょう。

​このように包装のことも考えて、原価率が15%〜20%に収まるように商材選定をする必要があります。

■人件費について

​ホールスタッフがいない分、人件費は減らすことができます。そのためいかに少人数で注文に対応できるかどうかが鍵になってきます。

​そのためにもオペレーションの簡易化は最重要事項になるでしょう。

■水道光熱費について

ゴーストレストランではWi-Fi環境がとても大切です。

​Wi-Fiが遅い、途切れるなどのトラブルがあると、注文がスムーズに受けられず運営の妨げになります。

​高速光回線のWi-Fiであれば比較的安く抑えることもできるので、コストが安くスピードが早いWi-Fiを選ぶようにしましょう。

■家賃について

ゴーストレストランが実店舗と比較して最も手軽な部分に、物件の選定が挙げられます。

通常実店舗の運営であれば立地は一番大切と言っても過言ではありません。

しかしゴーストレストランであれば、エリアさえ最適な場所を選べば駅から離れていても、路面店でなくても、地下に隠れていても大丈夫です。

ここでいかに固定費を下げられるかという点も重要になってきます。

以上の点をしっかり最適化したグラフがこちらです。

先ほどのグラフと比べて大きく利益率が上がっていることがわかります。

​通常の飲食店運営と同じ感覚で、軽い気持ちでデリバリを導入してしまうと大きな利益の損失になりかねません。

​まずはしっかりとデリバリーに特化した仕組みづくりをしていくことで、ゴーストレストランで利益を生み出すことに繋がるので、出店前に以上のことを考えて準備することは怠らないようにしましょう。

ゴーストレストランのメリット&デメリット

​ メリット

★開業資金が安い ★自粛宣言等の影響を受けにくい

★店舗接客の教育が不要 ★店内装飾の手間がない

★雨の日にこそ注文が入りやすい ★決済がほとんどネット上で行われる

★ブランドコンセプトの変更がしやすい ★商品づくりに集中できる。(料理に集中できる)

★デリバリーアプリがお客様を連れてきてくれる ★多ブランド出店が簡単にできる


​ デメリット

×プロモーションが大変 ×サービス手数料の高さ

×出せる料理が限られてくる ×デリバリーサービスを使わない人に認知されづらい

×接客・店内装飾でのバリューをくわえられない ×顧客との人間関係形成ができない

×リピーターの獲得がむずかしい

×配達員密集地は基本的にレストランが多い

ゴーストレストランのまとめ

新型コロナウイルス感染拡大を防ぐ緊急事態宣言によるデリバリー需要の高まりは、こういったゴーストレストランのような業態の追い風になっています。

​このネーミングからはよく「怪しい」「大丈夫なの?」等の印象を持たれやすいですが、実際は時代の波に乗り、飲食業界を助ける素晴らしいビジネスモデルです。

​開業コストが低いのが何よりも魅力のゴーストレストラン。

いきなり高いコストやリスクを背負って飲食店を開業するよりも、このご時世、まずはゴーストレストランで「自分の店」を構えることが最適と言えるのではないでしょうか。